ときめき☆道楽(文月)

戸田ゼミコラムのアーカイブです。このコラムはすでに連載を終了されています。

2010年03月

代々木上原は、小田急線と千代田線がとまる。
千代田線は始発で表参道まで3駅、
小田急線は新宿まで4駅、下北沢にも2駅。

大変地の利がよいところだが、縁がなかった。
以前、友人に食事に連れられてきたことがあったが
静かな住宅地だったのを覚えている。

予習してみると、駅周辺に投資に適した
マンションは見当たらない。
私が探している一千万円台のマンションはない。

小竹向原に行ったときもそうだったが、
そのような町は古くからの住宅街で、
駅周辺は昔ながらの人が住んでいる。

行ってみると、小竹向原のように
駅周辺に一戸建てが残っているというのではなく
小さな4階建てぐらいのビルがびっしり建っている。

便利な場所なのに、いまだに昔のように
小さな土地に皆がひしめき合うように住んでいる。

でも、生活に疲れた感じではなく
おしゃれなお店がちらほらあって、
「雑誌で特集されることはある」と思った。
坂も急だ。毎日だと疲れるだろうな。

林真理子さんのお宅はどこだろう?

駅前の不動産屋にふらりと入ると、
「投資マンションですか、この辺はないですね。
幡ヶ谷の方には結構ありますけど」と言われた。

ここは投資マンションを建てたりする
商業の町ではなく、
戸建てのおうちできちんと住んだ方が
よい町なのだろうなと思った。

「アンアン」を立ち読みしていたら、
巻末の林真理子さんの文章が目にとまった。
以下、自己流だけど引用。

自分は何て場所選びがうまいのかと思う。

若いときから東京の名だたるところに住んできたが、
数年前、新しく家を建てるに当たって
さてどこにしようかなと悩んで、
結局今の代々木上原に決めた。

広尾や目黒も勧められたが、ぴんと来なかった。
成城は?という声もあったが、
自分のように移動は専ら電車の人間は
小田急線が死ぬほど込むのがわかっているので
その選択はなかった。

そこで、代々木上原。
小田急線と千代田線が使えて
都心にも近いのに落ち着いていて、
駅前に本屋やおしゃれな喫茶店もある。

これという土地が出るまでしばらく待ったが
今では代々木上原は雑誌で特集されるほど
おしゃれな町に変わった・・・というもの。

自画自賛と言うなかれ。
漫画家の一条ゆかりさんも以前、
「自分が引っ越した町は必ずおしゃれに発展した」と
何かで言っていた。
現在の住まいは吉祥寺だ。
女性作家には、やはり独特の嗅覚があると思う。

林さんも、駅前の本屋と喫茶店をチェックするのが
私と一緒なので、ちょっと嬉しくなった。

代々木上原には行ったことがないので、
下調べをして、デジカメ、メモを持って
出かけることにした。

今でもときどき、他人が書いた不動産投資の本を買う。
ほかの人がどんな基準で投資用不動産を買うのか
興味があるからだ。

一口に不動産投資といってもさまざまな流派?があるようだ。
ぼろぼろのアパートを引き取って蘇らせる人、
都心の一等地しか興味のない人、
他人の建てたものは信用できぬと
ついには自分で土地取得から設計からやる人、
などなど。

デジカメを持ってのウオーキングを始めたのは、
沢田富美子さんの「100戦無敗の不動産投資術」を読んで
少々影響を受けたからだ。

沢田さんは、ご自身が住んでいる港区の、
自分の目にかなった
物件しか買わないそうだ。

そして、散歩が好きで、毎日港区じゅうを歩いている。
散歩の途中に、マンションも見るし、
町の雰囲気を感じながら歩いているという。

だから、マンション名を見ただけで
どんな建物か、周辺環境か、
現地にいかなくてもぴぴっとくるそうだ。
いわば脳内グーグルマップ、脳内ストリートビュー。

「そんなことしなくても、パソコンでちゃちゃっと
見れば、同じことじゃない?」と夫は言う。

でも、グーグルマップやストリートビューで
わかるのは、建物への行き方や外観だけで、
この道一本隔てると、人通りが多いとか少ないとか、
最近はこのあたりがにぎわってきたとかは
パソコンは教えてくれない。

マンションそのものも、
「何となく暗くて好きになれない」「古いけれど落ち着くな」
というのも、実際行って、入ってみないとわからない。

そんなのも全部ひっくるめて
「この不動産、お買い得かどうか」という
判断ができると本に書いていた。

私もマンションを見ながらウオーキングはしていたが
脳内グーグルマップをつくるほど徹底していないし
超都心に住んでいるわけでもないので、
少しでも記憶に残るよう予習して
出かけることにしたのだ。

面倒くさい?でもマンションは高い買い物だし
沢田さんはこのやり方で過去一回も
失敗していないそうだ。

マンションを物色しながらのウオーキングは
前からやっていた。
しかし、事前に下調べをしてデジカメで撮ることにして
以前にも増して楽しくなったと思う。

そう思っていたら、ハイQで米山公啓さんが
「脳とからだの健康方程式」の中で
「視覚刺激をしてウオーキング」(第61回)で
こんなことを書いていた。

「ウオーキングに飽きてしまうのは、
無意識に歩いているからです。

周囲の景色を意識しないことには
脳に情報として入ってきません。

だから、日常の何気ないことの多くは
ほとんど記憶に残らないのです。」

続いて、米山さんは、脳を活性化するウオーキングの
やり方として、何かテーマを持って
きょろきょろしながら歩くことを提案している。

例えば、「今日のテーマは赤い色にしよう」と
赤いポスト、赤い看板、赤い自販機・・・
くくり方を変えれば新しい発見もあるし、

「何か関心を持つことにより、
脳に新しい情報を送り込むことができます。」

これはまさに私がやっていることで、さらに

「できればそれを日記として記録していきましょう。
さらに新しい視点を思いつくはずです。」

米山さんはれっきとした医学博士だが、
趣味でやっていることが博士のお墨つきを
いただいたようで、ちょっと嬉しい。

腰痛も膝の痛みも「ウオーキングがよい」と言われる。
また、ウオーキングをすると風邪も引きにくくなる。

お金もかからないし、何て理想的な健康法だろうか。
ただし、続けるのは難しい。

まず、毎日同じ道を歩くのは飽きる。
それに、仕事をしていると忙しくて、
たった一駅歩くだけでも途切れがちだ。
休みの日はゆっくり寝ていたいし・・・

そこで私は一工夫して、
「収入向きマンションを物色しながら歩く」というのを始めた。

まず、ネットで赤坂なら赤坂の投資用マンションを
下調べする。
そして、よさそうなのがあったら住所をチェックし、
地図とデジカメ、メモ、ペンを持ってウオーキングに出る。

うちから赤坂までは徒歩40分ぐらいかかるので、
それだけでも結構な時間だ。

そして、お目当てのマンションがすぐ見つかることもあるし
見つからないこともある。
見つかったら写真に撮る。
また、その周辺にあるちょっと気になるマンションも
片っ端からデジカメにおさめる。
ちょっと素敵なお店を発見したのも写真に。

相当怪しい人だが、こんなことをやっていると
あっという間に2時間ぐらい歩けてしまうというわけ。

帰ると、すぐ現像して、写真はノートに貼る。
デジカメデータはすべて消去する。
(私はアナログ派なので写真という形にこだわるのと、
デジタルデータがふえ過ぎるのを防ぐため。)

気になるマンションの名前と住所で価格を検索し、
ノートに書き込む。
町の雰囲気、歩いている人、気づいたことも
メモしておく。

ただ歩いているよりも、こちらの方が断然おもしろい。
町をかえていろんなところに行ってみようと思う。

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