お盆は私の田舎で過ごしました。

以前、田舎での移動手段は父の運転する車でしたが、
さすがに80過ぎてからは
こちらが遠慮して
地元の在来線を利用しています。

電車の窓から山の稜線を見ていると、
学生時代に戻ったような、
とはいえ地元を離れてウン十年ですから、
知らない町を旅しているような
不思議な気持ちです。

車内は出稼ぎ?に来ている
外国人のおしゃべりで賑やか。

「さっき降りたの、中国人じゃないね。」
夫が言います。

「そうね、中国語じゃなくてもっと南の方の・・」
なんて話しているとき。

「どうぞ。」

ふいに袋いっぱいのかりんとうが
目の前に差し出されました。

見ると、若い女性がにっこり笑って
かりんとうを勧めるではないですか。
女性は別の乗客にも勧めます。

女性「これ、私がつくりました。」
私「ええっ、すごいねえ、ありがとう!」

雰囲気から、異国の女性のよう。

女性「私、ベトナムのハノイから来ました。
日本で三年働いています。
ことしの12月にベトナムに帰ります。」

ベトナム人だったのかー。

私「そうなの、もったいないけど
ご両親は安心されるでしょう。
娘が外国にいると心配だもんね。」

薄化粧に肩までの長い髪を垂らして
小さなリュックを背負った
二十代後半の女性、
日本の感覚で未婚だと思ったのですが、、、

女性「私、子供が3人います。」
私「3人!?あなた何歳なの?」
彼女「29歳です。結婚は二十歳です。」

子供は9歳、7歳、5歳とか。
娘さんかと思ったら、
立派なお母ちゃんでした。

彼女はリユックからタブレットを出し、
次から次へと家族の写真を
見せてくれました。

そこには、
お友達とゾウの乗り物に乗って遊ぶ娘さん、
息子君のご馳走いっぱいのお誕生日、
旦那さんと子供たちの笑顔など
慣れない日本で暮らす彼女の元気のもとが
ありました。

広島の片田舎でベトナムの人と話が弾むのは
不思議なことです。

ベトナムの印象は、
投資考察団で時がとまっている私。

かりんとうを振る舞う
大阪のおばちゃんを上回るサービス精神、
問わず語りに自分のことを話す自己開示、
異国から家族を支えるど根性、、、大したものだ。

かりんとうの優しい味は、忘れられない思い出になりました。

またベトナムを気にしてみよう。

手始めに、ほったらかしの株の
様子を見ようかな。